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「人形は顔が命」というけれど、デハラ氏のペーパークレイ・フィギュアは顔は勿論、その闘魂あふれるプレゼンスが命。時にダーティに、時にバイオレントに、素材の「紙粘土」というやさしい響きを忘れるほどに、独特の存在臭を放つ。いまにでもオーディエンスの脳天をぶち破るような勢いを持ちながら、実は涅槃まであと三歩ぐらいのホトケさまのような佇まいという、不思議な調和を見せるから、深い。
展覧会ごとにテーマを変えて挑んできたデハラ氏だが、今回は「妖怪」を取り上げた。いわく、「LAだから、日本のものがわかるようなテーマがいいなって、ずーっと考えてたんです。ちょうど水木しげる研究したり小説読んだり、『妖怪』が自分の中で盛り上がってて、あ、これが日本じゃないか、と。でも奥が深い。調べ出したら平安時代まで遡る」。
河童やぬらりひょん、山奥を歩いていると後ろから着いてくるヤツなど、昔から言い伝えられている妖怪の類(たぐい)は、デハラ流にデフォルメして創りあげた。だが大半は、「現代にはどんな妖怪がいるだろうか」と自由に想像を巡らせ、全くゼロから生み出したもの。
例えば「YOKAI NAKADASHI」は、性の乱れた女子高生の部屋に現れ、「いい加減にしなさい!」とたしなめるサガを持つ。「バイブレーター妖怪」なら、30代の働く女性の部屋に侵入。仕事に疲れ、夜遊びしなくなったその背中にひと言、「最近、女を忘れてるんじゃないの?」と、いたわり半分脅し半分の声をかける。
「物の怪のように、例えば箪笥とかを10年以上ほったらかしにしておくと、それが化けるというのが妖怪の基本なんで、僕のバイブ妖怪も『もっと動きたい〜!』(笑)という気持ちが昂じて、こうなっちゃった。あとですね、山奥で『おんぶ妖怪』に遭遇しても、実際にいるのかいないのか、それは出遭った人の心理によるものですから、妖怪ってサイコロジカルな要素が多い、深い存在なんですよ」とデハラ氏は語る。
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