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AA1:どうやってグラフィック・デザイナーのキャリアをスタートさせたんですか?
VP:大学卒業後に交換プログラムで渡米し、最初は建築家として企業で働いたんです。その会社は小規模のデザイン・プロジェクトも行っていて、彼らと社内の製作作業スペースを共有していたんです。そこで色々経験をシェアするようになり、自分自身「グラフィック・デザイン」というものを再発見したんですね。例えば、アメリカは徹底的に資本主義社会ですよね。全く同じ商品同士の競争というものがない。一つ商品をつくれば、それで終わり。つまり、あるミルクブランドにパッケージを作ったら、それでOK。人はこういうことには結構、無頓着なものです。西側に来ると、カラフルで美しいものを消費するのを楽しめる。イタリア製のものとか、各国の製品を消費できる。まあこんな具合に、アメリカに来て「デザイン」というものの可能性を再発見したんです。それから建築家とデザイナーの仕事を並行して行うようになり、2年ぐらい過ぎた頃に、どれか1つに集中しようと。2つ同時にやるのは、ものすごい疲れちゃったから!(笑) デザインの方が早く仕事が進められるし、成果が現れるのも早い。だって、フランク・ゲイリーはディズニー・ミュージックホールの完成に15年もかけたじゃないですか!(笑)。インスタントな結果を出すならグラフィック・デザインだ!とデザイナーになったのがそもそもの始まりです(笑)。
AA1:グラフィック・デザインの社会的性質は、どんな点にあると思いますか?
VP:デザインが、現代の社会構造に影響を及ぼしているのは本当だと思うし、社会問題と共に成り立っているのも事実だと思います。例えば政治ポスターは、アメリカに限らず世界中どこでも目にしますよね。これらの作品は、人々の生活に影響を及ぼし、意識を変えることもある。でも、私が思うのは、日常のデザイン、つまり日々目にするもの、日々消費しているもの、これらもグラフィック・デザインだと思うんです。例えば牛乳ビンとか新聞とか本は、誰かがデザインしたもので、いかに不特定多数の人がそういう日常のデザインを目にしているか、私たちデザイナーは意識するべきなんですよ。同時に気をつけないといけないのは、どういうタイプのデザインを施し、どんなメッセージを送っているのかということです。以前は、商品を売るというためだけの間違ったデザイン、ひどいデザインが多かったですから。これに比べれば現在は多少は、デザインの政治的な正当性を打ち出し、正しいデザインをするという価値観を多くのデザイナーが取り戻しているように思いますけど。グラフィック・デザインは社会の一部なわけですから、何をしようと、どういう風に人に受け止められるか、どのように社会に露出されるのか気をつけないとならないと思います。
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