いまや業界年間売上げ数十億円を軽く弾き出すアーティスト・トイは、一大ホット・マーケットとしてアート界からもビジネス界からも注目の的。アーティストが2次元上(ペインティングorイラストレーション,etc.)で表現・制作したキャラクターを、マニュファクチャラーが3次元のトイに立体化し、種類も個数も限定して市場に流通させているのが現在のアーティスト・トイで、21世紀の幕開けと共にトレンド街道を突っ走って来た。
アメリカが仕掛け人かというとそうでなく、もともとアジアが火付け役。舞台は20世紀末の香港、インターナショナル・トイ・ショウで、「GIジョー」をヒップホップ・ライクにカスタマイズしたフィギュアを、当時グラフィティ・アーティストのマイケル・ラウが発表した。「ストリート・アート」と「カスタマイズ」という、ジェネレーションX&Y(&その周辺)のハートを鷲づかみする項目が、トイというアイテムに結晶したわけで、これが引き金となり、今まで市場に存在しなかったオリジナル・キャラクターを立体フィギィア化し、アートの延長線上に位置付けするという、トイ業界の新スタイル=アーティスト・トイ=が確立するに至ったのである。
このスタイルは製造業側にもアーティスト側にも歓迎され、あっという間に日本やアメリカ、ヨーロッパに飛び火する。中でも日本は、商品が最もさばける市場として、アーティスト・トイを売り出す新世代トイ・カンパニーのお得意様的存在だ。ちなみに日本は、買うだけでなく、製造側としても実力を発揮。それまで「ゴジラ」や「ウルトラ」シリーズ、最近では「ポケモン」など、プロパティ・ビジネスの一環として拡散していたトイ・フィギュア界の土壌は豊かで、今では「Devil Robot」など、自前キャラクターをトイ化するデザイナー集団がグローバル・マーケットで小気味良く暴れまわってくれている。
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