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L2Kontemporary
Owner / Director: Kiet Mai & Edward Lightner
自由なギャラリー・スタイルを保ちつつ、新進アーティストの紹介に意欲的なマイさんとライトナーさん。後者は同ギャラリー出展アーティストとしても活躍している。現在オープン1周年記念として、これまで紹介してきたアーティストの作品を一堂に集めたグループ・ショウを開催中。いつも来場者を温かく迎え入れてくれる二人とのインタビューは、和やかな雰囲気の中で行われた。
チャイナタウンにギャラリーを開いた理由。
Mai(以下M):3年ぐらい前に初めて訪れた時、チャイナタウンをとっても気に入ったんですね。それまで、ずっとギャラリーをオープンする場所を探し歩いていたんです。どうしてもアートの世界でビジネスを始めたかったですから。
サンタモニカのバーガモント・ステーション(ギャラリーが集合する一区画、ビル)に始まり、ウィルシャーやラ・ブレア地区を見て回ったんですが、チャイナタウンが一番エネルギッシュな感じがして、ここは新進アーティストを紹介するのに最適な場所だと直感したんです。
Lightneri(以下L):ここなら、例え失敗しても、ギャラリーが潰れることはないしね(笑)。
M:そうなんですよね(笑)。チャイナタウンはつまり、まだ発展途中の地域ですから色々とチャンスがある。自分達の思い通りに作品を選べるし、自由に運営できるのが魅力。最近、ギャラリー・オーナーたちで集まり、チャイナタウンの方向性のようなものを決める話し合いの場を持ったんです。いかにしてもっとアート・コレクターを集めるかという話が中心だったんですけど。
L:ギャラリー・マップ(写真)を作ったりね。
M:私達がオープンして丸1年ですけど、チャイナタウンはどんどん変わってきてますよ。その間に新しいギャラリーが少なくとも4つはオープンしてるね? 5つ、6つ? もっと?もう次から次にオープンしてる!
L:クローズしたのは1つだけ。それもビジネスのせいじゃなく、ビルの老朽化で市に追い出されたんだよ(笑)。これだけギャラリーがチャイナタウンに集まったのは、やはり手ごろなレント(家賃)のお陰。毎月必死に(作品の)売上げを気にしなくていいですからね。
M:経済的にゆとりを持てるのは大きいし、そのゆとりが(運営側)に自由を与えているのは確かです。
L:自分達で、オリジナルなシーンを作れる。それが(いい意味で)雪達磨式効果というか、1つ出来たらまた次という循環になっていく。
M:訪れる人の反応も、すごくポジティブですよ。チャイナタウンのアートシーンがここまで独特で、エネルギッシュに展開しているというのは、殆どの人にとって思いがけないハプニングなんですよね。
アーティストやお客さんにとって親しみやすい空間。
M:ギャラリーは、お客さんと、アートやアーティストを繋ぐ中間の橋渡し的存在であるべきだと思うんです。勿論アーティストにとって機能する空間であることは大切。そこで作品を展示したいなと思わせる場所にするというか。
L:フレンドリーであることも大切です。鼻持ちならないギャラリーは、もうあまり受けません(笑)。忙しい忙しいと言って、お客さんやアーティストを相手にしない傾向にあるのは、どうなのかな。忙しいといっても、時間の流れは自分でコントロールできる、その“忙しい”は実は高が知れてると思うんですよね。
M:それに、アートは楽しめないと嘘ですよ。生活の一部として欠かせないものであるべきだし、もしアートがなくなったら人間の営みは随分と違ったものになったでしょうね。みんなもっとアートにナイスになってほしいですね!
最近のアート作品のトレンド。
L:何でもアリのような気がしますね。「スーパー・フラット」もいまだにあるけれど、1つのスタイルが突出しているとは言えないんじゃないかな。特にLAは、作品スタイルも混交しているというか。メルティング・ポットのような感じですよ。
M:ビデオ作品は多くなってきているんじゃ? ビデオ・インスタレーションや、テクノロジーを使ったものが増えてきた。伝統的なモティーフでも、またそれが平面でも、仕上げや表現方法(メディウム)にテクノロジーを用いているという。でも、うちはビデオ作品には手を出さないようにしてるんです。
L:今まで紹介してきたアーティストの中には、化学合成素材や人工的な素材をキャンバス上で再生したり、コンピューターで加工したイメージを取り入れたり、立体作品にビデオを埋め込んでみたり、無機物で構成された「ファウンド・オブジェ」を使ったり、テクノロジーを含むありとあらゆる“素材“を“道具”として料理している人が多いですね。
作品/アーティストの探し方
M:アーティストのスタジオに直接、足を運んで交渉することが多いですね。オープン・スタジオ(アーティストが制作場所=スタジオ=をコレクターやギャラリスト、一般に公開すること)にもよく行きますし、知り合いのアーティストにまた他のアーティストを紹介してもらったり。ギャラリーに行けば、いいなと思う作家にコンタクトをとったり。スーパーソニック(註釈)は若手発掘の場として欠かせませんね。抽象的な作品が好きなんですよ。平面作品でも、立体的なニュアンスを醸し出しているものがいい。でも、私達にはビジネスでもありますから、全体の40%はコレクター好みの作品を用意して、残りの60%は前衛的な作品を所蔵しています。
キュレイターについて。
M:ほとんどインディペンデント・キュレイターをお願いします。そのほうがアーティストにも張り合いが出るし、みんなキュレイションするのが好きなんですよ。
L:僕らも、彼らが何を望んでいるのか見るのが面白いんですね。
M:今回の1周年記念のショウを含め、年に2回はグループ・ショウを開くんですが、そちらは自分達でキュレイションします。
L:自分達でやる特典は、アーティストと直に接せられる点ですね。
M:新しい出会いもありますし。どうやってショウを作っていくかプロセスを体験することも出来る。キュレイターやキュレイション方法を変えることで、ギャラリーに新しい風を取り入れられる点がいいんです。
興味を抱いている海外のアーティストは?
M&L:セルビアのドラガナ・ステバノヴィク! 来年の夏にうちで個展を開きます。初めての外国人アーティストでもあるんですよ。彼女がうちのサイトを見つけ、作品を売り込んできたんです。
M:多くの人が、サイトを見て、ポートフォリオを送ってくれます。それに目を通して、自分達の方向性と合致するもの、嗜好の合う作品を選び出します。
L:ただ、海外のアーティストともなると、シッピング・コスト(輸送費)が嵩むんですよね。
ポートフォリオは常に受け付けていますか?
L:受け付けてますよ。ただ、1年経ってその量がすごく増え、今はファイルが満杯状態。現段階ではほぼ1年先までスケジュールが決まっている。だから新しい作品を見るとしても、だいぶ時間がかかると思います。それでもいいという人は、サブミッション(提出)は自由ですから、送ってみてほしいですね。
M:「あなたの作品が気に入ったから契約しましょう」といっても、実際にショウに漕ぎ着けるのは1〜2年後ということもあり得ます。そこは、アーティスト次第。
L:1つの作品を見ても全て気に入るかは分からない。そこは後日の相談になります。
特に興味を抱いている日本人アーティスト。
L:日本をベースにする日本人アーティストのことは分かりませんが、以前一緒に働いた、カリフォルニア・ベースの日本人アーティストはいます。セラミック・アーティストのケイコ・フカザワと、ケイコのショウをキュレイションしたテツジ・アオノ。あと日系人ですけどマーク・タカミチ・ミラー。
M:(日本ベースの)日本人アーティストを、もっと紹介したいですよ!! でも、これまで一度も日本人アーティスト側からポートフォリオを送ってもらったり、アプローチしてもらったことがないんですよね。だから知らないんです。いろんな作品を見たいですし、国籍やどこで活動しているかは問題じゃないんです。
L:日本語で何か連絡がきたら、日本人の友達に訳してもらおう!(笑)
M:本当は英語の方がありがたいんですけどね!(笑)
iInterviewed by Yumiko Loose
(註釈)のところをクリックすると解説が出ます。
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