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 特別にデザインされたカメラと感光度の低いフィルムを用いて創作される、静謐で、繊細な不動さをもった杉本博司氏の作品世界。その写真作品は、「私のアイデアの集積で、そのアイデアは私のコレクションからインスパイアされたものである」と氏は語る。コレクションとは、1970年代後半、アーティストとして活動しながらニューヨークで古美術商を営んだ経歴を持つ氏が、自ら蒐集した古美術品のこと。今回の展覧会で、杉本氏は、太古より15世紀にわたる化石や古美術品、20世紀の記念品など50点あまりのコレクションを出品し、それらを「海景」「ジオラマ」シリーズを主とする自身の作品約30点と融合させ展示するという、ユニークな試みを行った。
 出品される古美術品は百万塔、染色品、能面、古墳埋蔵品などさまざま。例えば13世紀の銅製・火焔宝珠形舎利容器残欠は、もとは仏舎利を納めるための容器で厨子に納められていたが、喪失した仏舎利の代わりに、杉本氏1980年の作品「海景」シリーズの海の写真を嵌め込み、会場に鎮座するという具合。「過去と現在」の共存による新次元空間の創造というテーマを十分に表現しながら、アーティスト本人の時間に対する探求を、明快に、わかりやすく観客に伝えることにも成功している。


 「杉本博司 歴史の歴史」展の関連イベントとして、「スクリーンの中のモダンアート」と冠し、杉本氏選定による日本映画7作品を、11月11日から12月11日までジャパン・ソサエティー・フィルム・センターで上映する。映画とモダンアートが触発しあう中で生まれた作品、「他人の顔」「東京流れ者」「四畳半襖の裏張り」など、同氏の審美眼を切り口に選んだ秀作をジャンルを問わずに上映。チケット料金一般$10、会員・シニア$6。フィルムパス(4作品分の料金で5作品鑑賞)一般$40、会員・シニア$24。映画と展覧会のセット割引き有り。また12月1日には、アーティスト本人を迎え創作の源泉や本展のテーマについて話を聞く「インサイド・スタジオ:杉本博司」を開催。聞き手は古美術コレクターでシェイクスピア学者としても知られるシルバン・バーネット氏。一般$15、会員$10、シニア・学生$8。問い合わせはジャパン・ソサエティ212.752.3015、
www.japansociety.orgまで。

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